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| 1.ライフステージによるリスク |
一生のうちには、むし歯ができやすい時期とできにくい時期があります。
まず乳歯が生え始める3歳ごろが、むし歯のできやすい年齢です。
大人の歯に比べて、乳歯は酸に侵されやすく、飲食の回数が多いため、むし歯になりやすい時期といえるでしょう。
次に、歯が生え変わる学童期もむし歯をつくりやすい時期です。
永久歯も生え始めは酸に弱く、特に5−6歳ごろに生える第一大臼歯は複雑な形をしているうえに長い年月をかけて生えそろうために、むし歯になりやすい永久歯です。
また、中学生から高校生にかけて食生活の乱れも、大きなリスクになりえます。
大人になると一般に、新しいむし歯を作る危険は少なくなりますが、歯と歯の間にできる目立たないむし歯には要注意です。
しかし、年齢を重ねると事情が変わってきます。
歯ぐきが下がり、歯が根まで露出しはじめると、そこにむし歯ができるのです。
たとえかぶせる処置がしてあっても、酸に弱い象牙質が露出するため、歯と歯ぐきのすき間がむし歯に侵されるようになります。
また慢性疾患のために薬を常用していると、だ液が出にくくなることが多いので、特に注意が必要です。
このようにむし歯のできやすさは、一生を通して様々に変化することを覚えておきましょう。
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| 2.リスクコントロールのABC |
| A.キシリトールによるミュータンスコントロール |
「キシリトール」という名前は、すでにおなじみですね?
薬物を用いた除菌とともに、最近注目されているのがキシリトールを使ったミュータンスコントロールです。
キシリトールは糖アルコールの一種で、砂糖と違い酸をまったくつくらない甘味料です。
これだけでもむし歯をつくりにくいということになるのですが、最近もう少し積極的なむし歯予防効果もあることがわかってきました。
むし歯の大きな原因になるミュータンス菌には、キシリトールに感受性のある種類(感受性菌)と、感受性のない種類(非感受性菌)があります。
ミュータンス菌は細胞の外に糊状の多糖類をつくり、強い酸をつくるのが特徴ですが、非感受性菌は、このはたらきが非常に低くなっています。
さらに都合のよいことに感受性のあるミュータンス菌のほうは、キシリトールを取り込むとむだなエネルギー消費を強いられるため、成長・増殖を阻害されます。
つまり、キシリトールがあると感受性菌が増えないのです。
その結果、キシリトールを食べつづけていると、ミュータンス菌の大半が菌にくっつきにくく、酸をあまりつくらない菌に変化してしまいます。
こうなるとプラークも菌にくっつきにくくなるため、除去が容易なるというわけなのです。
これまでの菌を守る砂糖代替甘味料と異なり、少量の摂取でも一定の効果がある点も大変魅力的なミュータンス菌コントロール法です。
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| B.フッ素でミネラルの収支を一気改善 |
「フッ素でむし歯予防」という歯磨きのキャッチフレーズは広告でおなじみですが、
フッ素ほどむし歯の治療に効果の高いものはありません。
フッ素イオンは、むし歯の原因となる細菌のはたらきを抑制して酸をつくらないようにし、
同時に糖のり取り込みをじゃまして、細菌がネバネバの糊をつくるのを抑えています。
また、抗菌効果や、ミネラルの再石灰化を促すはたらきもあります。
さらに、フッ素イオンは歯のエナメル質と反応して、耐酸性の非常に強い結晶もつくります。
このようないくつものはたらきによって、フッ素イオンはむし歯の予防や治療に大きな役割を果たします。
このため国や地域によっては上水道や食塩に添加されたり、歯磨き剤に添加されるなどさまざまな方法で利用されています。
フッ素は海水中に約1.3ppm含まれている物質で、海中で暮らす魚介類や海草には2−10ppmのフッ素が含まれています。 また乾燥してお茶の葉も大量のフッ素を含みます。
しかし食塩(塩化ナトリウム)がからだにとても重要な物質でありながら、過剰に摂取すると害になるように、フッ素イオンの場合もあまり大量に摂取すると有害です。
とはいうものの通常の使用では有害ではありません。
当院では、お子様への定期的なふっ素塗布、4歳位のお子様から大人の方までできるふっ素洗口、当院で発売しているふっ素入り歯磨き剤の使用(市販されているものよりあわ立ちにくく有効)をお勧めしております。
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| C.むし歯を治す歯磨き法 |
現在わが国で売られている歯磨き剤のうち、約7割はフッ素化合物を含んだ製品です。
これを上手に使えば、予防にも治療にも大きな力を発揮します。
だ液の作用を受けにくく、むし歯ができやすい上の前歯や下の歯の外側、噛み合せ部分などでは、フッ素もだ液に洗い流されにくいため、非常に大きな効果を発揮します。
しかし、その効果を十分引き出すには、次のような使い方をする必要があります。
まず、歯ブラシに歯磨き剤をつけずに、よくブラッシングします。
そのあとで、歯ブラシに十分ペーストをつけて磨き、最後に少量の水でできるだけ長い間ぐじゅぐじゅと音を立ててから、吐き出します。
歯磨き剤の添加物や香料が気になる人は、かわりにフッ化ナトリウム水溶液の利用がおすすめです。
地域によっては、保育園や小学校の昼食後にこれを利用したうがいが行われ、
とても大きな効果を上げています。 |
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| 3.むし歯をつくらない甘味料 |
ミュータンス菌がネバネバの多糖類を分泌し、強い酸をつくる際に、砂糖が最高の原料になることに変わりはないので、ひっきりなしに甘いお菓子を食べるなどの極端な砂糖の摂取は、むし歯発症のリスクにつながります。
砂糖とミュータンス菌は強い酸をつくり、その強い酸のなかで繁殖するむし歯の原因菌の勢力拡大を助けるのです。
ですから、砂糖を何か別の食品にかえることは、むし歯の有効なリスクコントロールになります。 砂糖に変わる甘味料には、オリゴ糖、アミノ酸系の甘味料、糖アルコールなどさまざまな種類がありますが、砂糖に比べて酸をつくる量が少ないだけで、結局はむし歯の原因になりうるものと、酸がまったく作られむし歯をつくる可能性のないものに大別できます。
このうち、さきに紹介したキシリトールに代表される 「糖アルコール」とよばれるグループにはだ液の分泌をふやし、脱灰を抑え、再石灰化を助けるはたらきがあります。
ミネラルの収支バランスをととのえてくれるのです。 厚生労働省は健康に有用な食品を「特定保健用食品」と認めていますが、そこではオリゴ糖、糖アルコール類、茶ポリフェノール含有食品を「むし歯になりにくい食品」と定め、厚生労働省許可マークをしようすることを認めています。
また、摂取30分以内にプラークが酸を産生しない食品について「歯に信頼」の傘マークが表示されています。(下図)
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| むし歯をつくりにくい食品とその表示 |
| 厚生労働省・特定保健用食品 |
| オリゴ酸(パラチノース)、肥アルコール類、茶ポリフェノール含有 |
| 機能:う歯(むし歯)になりにくい食品 |
| 表示:「むし歯に安心な○○○」「 むし歯になりにくい○○○」 |
| マーク: |
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| 日本トゥースフレンドリー協会 |
| 機能:食べてから30分以内にプラークのpHが5.7以下にならない |
| 表示:「歯に信頼」 |
| マーク: |
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| 日本健康・栄養食品協会 |
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| その他の表示 |
シュガーレス・ノンシュガー:
単糖・二糖類の含有量0.5% 以下の食品 |
| 表示: |
「歯を大切に」「 歯に安心」「歯の健康に」 (基準なし) |
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